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夏の「青春18きっぷ」シーズン到来!大阪発〜日帰り琵琶湖一周&弾丸長野まで斉藤雪乃さんおすすめモデルコース

どや!

鉄道大好きタレントの斉藤雪乃さんが推薦する大阪駅からの「青春18きっぷ旅」を紹介! そこでしか乗れない車両やご当地グルメのほか、大阪ステーションシティで購入できる、旅の必需品やおすすめの駅弁もチェックします。

write:狸山みほたん
edit:人間編集部
photo:平野明

斉藤雪乃さん

大阪府生まれのタレント。「鉄道の街」として知られる吹田市で育った根っからの鉄道好きで、テレビやラジオ、雑誌などさまざまな媒体で活躍。現在のレギュラー番組は、NHK大阪「ウイークエンド関西」「ぐるっと関西おひるまえ」、読売テレビ「朝生ワイド す・またん!ZIP!」、テレビ大阪「おとな旅あるき旅」、MBSラジオ「森たけしのスカタンラジオ」。

2024年夏の「青春18きっぷ」の利用期間がスタートしました!

青春18きっぷとは、全国のJR線の普通・快速列車の普通席自由車、BRT(バス高速輸送システム)およびJR西日本宮島フェリー※を自由に乗り降りできるきっぷのこと。概要は以下の通りです。

※現地にて宮島訪問税100円が必要です

  • 1枚5回(人)分で販売され、1人ではなくグループでの日帰り利用も可能
    ※グループ利用の場合は同一行程のみ
  • 価格は12,050円
  • 年齢制限はなく、JRの主な駅、JRの旅行センターおよび主な旅行会社で購入可能

2024年夏の青春18きっぷの発売・利用期間
発売期間:7月10日(水)〜8月31日(土)
利用期間:7月20日(土)〜9月10日(火)
1人1回あたりの有効期間は乗車日当日限りです

しかし、青春18きっぷを利用したことがない方は「どんな旅ができるの?」「どういうところが楽しいの?」と思われるかもしれません。そこで、今回は鉄道大好きタレントの斉藤雪乃さんに青春18きっぷ旅の醍醐味について伺います。

「鉄道好きになったきっかけは、青春18きっぷ」と語る、斉藤さん。これまで雑誌やYouTubeなどでも鉄道旅の楽しさを発信されてきました。そんな斉藤さんに、鉄道旅のお供やお楽しみポイント、おすすめのルートを紹介していただきました!

これがあれば安心! より楽しめる! 鉄道旅の必需品

乗車時間が長くなりがちな青春18きっぷの旅。まずは斉藤さんに旅の必需品について聞いてみました。

斉藤雪乃:まず、カバンはスーツケースじゃなくてリュックです! 乗り換えで素早く動かないといけないことも多いので、できる限り動きやすいようにしています。

鉄道旅は身軽さ重視! リュックのなかには、ストールや、駅を出てちょっと座るとき用のレジャーシートなどがぎっしり。

車内の冷房対策に欠かせないというストール
列車で眠るときは、このスタイル

ホームだと日傘が差せないので、帽子も必須アイテム。小雨避けにもなります。

耳には切符モチーフのイヤリング! 可愛い!
よく見ると、斉藤さんの持ち物には鉄道モチーフのアイテムがいろいろ。時計やハンカチもご覧の通り

さらに「絶対に持っていくもの」と紹介されたのは、クリアファイル。

車両の装飾や、車内のステッカーをデザイン・印刷する会社である「関西工機整備株式会社」のクリアファイル

斉藤雪乃:いろんなところでパンフレットをもらったり、半券を入れたり。これは必需品ですよ。

記念にとってある切符たち。「無効印」は使用した切符を持ち帰りたいときの記念にも。デザインにはさまざまなものがあり、JR九州は可愛い桜のスタンプ

さらにマストアイテムのお菓子たちが登場。

斉藤雪乃:お菓子は本当に大切で……!! 飴ちゃんは絶対持っています。ルクアに売っている「パパブブレ」の飴は、初めて食べたとき美味しくてびっくりしました。大阪駅に来ると、つい買っちゃいます。

パパブブレ
住所:〒530-0001 大阪市北区梅田3丁目1-3 ルクア大阪 2F
営業時間:10:30〜20:30(ルクア大阪に準ずる)
公式サイト

列車旅は訪ねた先々でお酒を楽しめるのもポイント。ちょっとしたおつまみになるナッツもラインナップに並びます。泊まりがけの旅では、紅茶のティーバッグも持っていくそう。

そして、出ました! 時刻表!

斉藤雪乃:トンネルが長くて電波が届かなかったり、充電が持たなかったり、スマホに頼れないときもあるので、時刻表は持っていると便利ですよ!

「1年に2日しか開かない駅があるみたいですよ!」。読み物としても楽しめるみたいです

鉄道旅に欠かせない! 斉藤さんお気に入りの駅弁は?

旅のお供といえば「駅弁」も欠かせません。大阪駅からスタートする列車旅なら、関西を中心にさまざまな土地の駅弁を出発前に購入することができます。また、うめきた地下口の改札内には「駅弁自販機」も設置されていて、スピーディーに各地の駅弁をゲットすることができて、とっても便利!

数ある駅弁のなかで、斉藤さんのおすすめは?

斉藤雪乃:姫路の駅弁「おかめ弁当」です。お出汁で炊いたご飯の上にいろんな具材が乗っていて、めっちゃ美味しいです! 迷ったらコレ!

明治21年創業の駅弁の老舗「まねき」が販売するロングセラー駅弁
「ジャジャジャジャ〜ン」とテンション高く開けてくれました。和食のおかずがギュッと詰まっています
関西の駅構内では初設置の駅弁自販機。キャッシュレス決済で、簡単便利に関西の有名駅弁を購入できます。おかめ弁当も販売中!
※入荷状況により、品切れの場合はご了承ください
「光に照らされておかめが青白くなってる!」と斉藤さんのテンションがアップ
パッケージは「WEST EXPRESS 銀河」のデザイン

もうひとつ、斉藤さんの一押しは「兵庫五国酒肴弁当」。兵庫県各地の名物が入っていて、但馬牛の煮付けや鳥もも肉の味噌焼きなど、お弁当としてだけではなく、お酒のアテにするにもぴったりです。

\おすすめ日帰りルート/
湖西線からの琵琶湖を右回りに“ビワイチ日帰り旅”

これまで何度も青春18きっぷでの旅をしてきた斉藤さん。「一番好きなのは滋賀の湖西線!」とのことで、列車で琵琶湖を一周した経験もあります。

ということで、大阪からの実際のルートと、道中のおすすめ駅を紹介してもらいました。

斉藤雪乃:湖が見える路線は日本各地にありますが、やっぱり琵琶湖の雄大さを間近で感じることができる湖西線は特別です! 駅ごとに見える琵琶湖の表情も違っていますし、途中下車して歩いて琵琶湖に行ける駅も多いです。

京都方面からのトンネルを出て20分ほど、堅田駅を過ぎたあたりから見えてくる琵琶湖。堅田駅からバスに乗れば、近江八景のひとつ「堅田の落雁」で有名な浮御堂があります。

ホームの向こうに琵琶湖とその対岸が広がる志賀駅

さらに進んで、斉藤さんが駅からの眺めが一番好きだという志賀駅へ。湖西線のなかでは琵琶湖に一番近く、降りて5分も歩けば着いてしまうそう。駅前にはパン屋さんなどもあり、こぢんまりとした良い感じの街並みが広がっています。

さらに北上していくと、途中途中の駅にも見どころがたくさんあります。

近江今津駅と長浜駅からは竹生島クルーズが
琵琶湖に近いマキノ駅。バスに乗れば、人気スポットのメタセコイア並木もすぐ
余呉駅のホームと駅名標
琵琶湖の北にひっそりとたたずむ余呉湖も魅力的

木ノ本駅の近くには、滋賀県のご当地パンである「サラダパン」を販売するつるやパン本店があります。地酒の七本槍を販売する冨田酒造も近くにあり、滋賀県のローカル土産を購入するのにはぴったり。

また、タイガースファンの方なら名前に反応してしまう虎姫駅も気になります。現在は長浜スクエアとして利用されている長浜駅の旧駅舎は、現存する日本最古の駅舎。近くに行ったら、ぜひ立ち寄ってみたいスポットです。

\上級者向け/
名古屋できしめん〜長野・松本城まで堪能する弾丸ルート

他のおすすめルートを聞くと、なんと斉藤さん、大阪から長野の松本駅まで日帰りしたといいます。青春18きっぷビギナーには必ずしもおすすめできませんが、注目ポイントを聞いてみました。

斉藤雪乃:松本駅のホームにある駅そばが美味しくて、ぜひ食べてみてほしいです。早朝から深夜までストイックな旅になりますが、ほかにも美味しいものや楽しめるポイントがあるので、気になる方はぜひ!

「日帰りで行けんことない!」とプッシュする斉藤さん
始発から終電近くまでかかるルートなので、各駅での滞在時間には要注意

乗り換え駅である名古屋駅の在来線ホーム上にある、きしめん屋さんもイチオシ。聞けば、天ぷらが揚げたてなんだとか。愛知から岐阜に入って中津川駅では、駅近くの和菓子屋「すや」さんで、名物の栗きんとんが購入できます。

そして、片道10時間ほどで松本まで到着です! 松本といえば、松本城。駅から徒歩圏内なので、頑張れば観光もできちゃいます。

斉藤雪乃:帰りは塩尻駅で、またまた駅そば。塩尻駅の駅そば「そば処 桔梗」さんの改札内の入口は、とっても狭くて有名なんですよ! あと、駅3・4番ホームにはぶどう棚があります。ここでしか見られない光景なので、ぜひ見てきてほしいです。

\宿泊するなら/
きのくに線でゆったり紀南の自然と文化を楽しむ!

一方、宿泊を前提とする旅ならこちら。大阪から1泊2日で、和歌山行きがおすすめです! きのくに線を利用して白浜方面を目指します。(1日1回あたりのきっぷの有効期限は乗車日当日限り)

斉藤雪乃:昔ながらの街並みが残っているところや、青春18きっぷの範囲外になりますが、魅力的なローカル私鉄もありますよ。

国内有数のみかんの産地・有田市に隣接する湯浅駅近くは、重要伝統的建造物群保存地区。醤油発祥の地というだけあって昔ながらの街並みが残っていて、旅情を感じながら散策できます。駅のすぐ横には湯浅駅の旧駅舎があり、カフェ「湯浅米醤」では、かまどで炊いた美味しいご飯が。湯浅醤油のルーツ「金山寺味噌」を絡めた炙りもちも食べられます。地元のクラフトビールを扱う売店でビールを買って合わせるのも良さそうですね。

一方、さらに南の御坊駅からは紀州鉄道という路線距離たった2.7キロの私鉄も延びています。

斉藤雪乃:可愛らしい鉄道で、景色も良いんですよ。そこに行かないと乗れないのがローカル線の魅力なので、せっかく近くまで行くなら乗ってみるのもアリ。和歌山駅から猫駅長で有名なローカル私鉄・和歌山電鐵に乗るのも良いですよ。

紀伊田辺駅からタクシーを使えば、ウユニ塩湖のような絶景写真が撮れる「天神崎」が。さらに南に位置する周参見駅では、駅前の「しのぶ」というお店の魚料理がとっても美味しかったといいます。

周参見駅ホームのパブリックアート

きのくに線を利用するなら、不定期で開催されている「きのくに線駅マルシェ」も要チェック! 地元の方がお店を出したり、子ども向けに駅のお仕事体験や記念撮影スポットがあったりで、開催期間をめがけて訪ねるのも良さそうです。

また、ほかにも関西のお気に入りの駅として、福知山線の武田尾駅と山陰本線の鎧駅を紹介していただきました。

鎧駅付近からはエメラルドグリーンの海が!

斉藤雪乃:武田尾駅は廃線跡が公開されていて懐中電灯を持って散策でき、冒険気分でワクワクしますよ。 駅自体もトンネルのなかにあって、面白い駅なんです。兵庫県の日本海側に位置する鎧駅は、海が見えて本当に綺麗! 駅近くのベンチから瓦屋根の家々とこぢんまりとした港の先に日本海が広がる、昔ながらの風景に落ち着きました。

車内時間やローカルの楽しみ方、青春18きっぷの魅力とは

と、ここまで斉藤さんに多種多様な青春18きっぷの旅を紹介してもらいました。いずれも長距離移動が前提ですが、車内での時間はどう楽しんでいるのでしょうか?

斉藤雪乃:昔は携帯ラジオで地方のラジオを聞くのが好きでした。今はアプリでいろんな地域のラジオが聴けるようになりましたが、当時はローカル旅の楽しみのひとつでしたね。今は車窓からの風景を見るのはもちろんですが、車内の放送や広告に注目しています。関西を出ると、その土地ごとの特徴があって面白いんですよ。

果たして、そんなに違いがあるんでしょうか。

斉藤雪乃:例えば、少し前のJR東海さんの車内アナウンス。JR東海では「降りる支度をしてお待ちください」なんですけど、これはJR西日本では放送されません。このアナウンスを聞くと「あっ、JR東海エリアに入ったな」って思っていました。

隣接するエリアでも、よく耳を傾ければ確かな違いが。さらに……。

斉藤雪乃:おすすめルートでお話した松本駅では、駅到着の際の駅名アナウンスが独特です。語尾を伸ばすもので、国鉄時代の駅員さんによるアナウンスの名残らしいです。今では松本のほかに別府駅など、数えるほど。貴重な文化をなんとか残してほしいものですね。

次々にあふれ出る鉄道愛。そんな斉藤さんに、特に印象に残っている鉄道旅を聞いてみました。

斉藤雪乃:山陽本線と山陰本線で中国地方をグルッと回る旅をしたときに、車窓の向こうに花火が上がった夜があって。見ず知らずのおじさんに「見てください! 花火上がってますよ!」って声をかけちゃいました。そのときはまだ一人旅に慣れていないころだったので、ちょっと寂しかったんですよね。そこから物語は始まらなかったけど、思い出深い出来事です。

旅情を感じさせるエピソードに触れたところで、改めて斉藤さんにとっての青春18きっぷの魅力を語ってもらうと……。

斉藤雪乃:青春18きっぷって、普通列車が乗り放題じゃないですか。なににも縛られない旅ができるのが魅力ですよね。過去に、北海道から青春18きっぷで帰ってきたことがあって……宿泊先も決めずに行けるところまで行って、その日の宿を取る。そんな自由な旅ができるのは、青春18きっぷならではです。

2016年まで一部窓口で販売されていた赤い青春18きっぷ、通称「赤券」。鉄道ファンの間で人気があり、斉藤さんも駅に出向いて購入したそう

今は子どもがいるので、そのような旅からは遠ざかっていますが、もう少ししたらまた長距離の列車旅をしたいですね! 鉄道は路線が廃線になったり、特急車両が廃止になったり、今後どうなるか未知数な部分があります。そういう意味でも乗れるうちに時間を見つけて列車旅をしていけたら。それが私の目標でもあり、希望です!

まとめ

斉藤さんが語ってくれた、青春18きっぷ旅はどれも魅力的なものばかり。日帰りに泊まりがけと、大阪駅からはたくさんのルートや楽しみ方がありました。また、今回紹介していただいた旅のお供も参考にすれば、鉄道旅が初めての人でも快適に楽しめるのではないでしょうか。青春18きっぷの販売は8月31日まで! 興味を持った方は、ぜひ自由な旅を楽しんでくださいね。