無料で座れて休める!大阪駅周辺のベンチを巡って勝手に表彰してみた
どや!
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こんにちは、しまだあやです。まちをうろちょろしながら、作家活動をしております。
今日は、JR大阪駅に来ています。というのも、今から、大阪駅周辺の「ベンチを勝手に表彰ツアー」をするんです。なんのこっちゃわからんと思いますが、ちゃんとした説明は後ほどにして……。
ひとまず、今私が座っているこのベンチ、どこだかわかりますか? 大阪駅によく来る人なら「あ!」ってなるかな。待ち合わせ場所によく使われるスポットです。
正解は、大阪ステーションシティ5階「時空(とき)の広場」にある金時計……のベンチ。ここに座ると私、いつも体がシャンとします。
ちなみに、金時計の向かいには銀時計があって、ここにもベンチがついてます。こっちもかっこいいね。
でも座ってみると、金時計よりはカジュアルで、公共のものだけど、ちょっとだけ自分の空間ができるような気持ち。お隣の大学生たちもお弁当食べてるし。さっきのところが「シャン」なら、こっちは「カラン」くらい。座り比べ、面白いです。
で、ここからがベンチめぐりの理由にも繋がるんですが。
大阪駅の周りには、他にもたくさんのベンチがあるけれど、この巨大ターミナルに来ると、ベンチの姿と人の動作は、とても関係しあっているなと感じます。
私はベンチの専門家じゃないので、偉そうなことは言えませんが、どんなベンチにどんな人が座り、どう過ごすのかで、その場所の風景はつくられるもの。もっと言えば、ベンチの佇まいは、人やまちの佇まいに影響を与える、めちゃくちゃ大事な存在だなあ、と思ってます。
そんな感じで、私はベンチのことが、すごく好き。私は、まちのベンチにとても支えられながら、暮らしているひとり。だから、「あなたはこんなところが素敵よ」と称えたい。
これが、今から「ベンチを勝手に表彰ツアー」をする理由です。
ということで。今日、表彰ツアーを行うエリアはこちら。今回は「誰もが入れる場所にあって、無料で座ることができる」を軸に、それに当てはまれば「形がベンチっぽくなくてもベンチ!」ということで、表彰していきます。
※この記事で紹介するベンチは、イベント実施や館内の状況によりご利用いただけない場合があります。
この記事の内容
- サウスゲートビルディング:子どもも大人もわんちゃんも。ボーダレスベンチ集
- 大丸梅田店:セレブリティ気分も味わえる! フロアごとに多彩なベンチ集
- イチロクグルメ:急な仕事も捗る、グルメフロアの救世主ベンチ
- ホテルグランヴィア大阪:ホテルならではの特徴が魅力に! グローバルベンチ
- ルクア大阪:常時満席エリアの隙間に現る、オアシスベンチ集
- JR大阪駅中央コンコース・うめきた地下口:サイバーで深海で駅弁? 知る人ぞ知るベンチ集
- ノースゲートビルディング:空間も人間も風通し◎、庭園ベンチ集
- ノースゲートビルディング再び:座ってはじめてベンチになるベンチ
- まとめ
サウスゲートビルディング: 子どもも大人もわんちゃんも。ボーダレスベンチ集
ではでは。まずは、先ほどの金時計ベンチから大丸梅田店方面へエスカレーターで1階までしゅーんと降りまして、こちら。
一気に地味な佇まいで失礼します。でも私、ここすっごく好きで。私の頭上にあるのは、さっき降りてきたエスカレーターなんですけど、屋根裏部屋にいるみたいじゃないですか?
広々としたピロティの、少し窪んだところに置かれてて。開放的なのに、秘密基地感があって。百貨店を行き交う人たちを横目に、ここだけ時間が止まった気分にもなる。
ちなみに、以前は先客がいまして。ピュアな小学生のような眼差しで、ポケモングッズの、開封の儀をしてはったんです。ちょうどこのエスカレーターを上がって大丸梅田店に入ると、ポケモンセンターがあるから、きっとそこで買ったんだろね。
そんなシーンもあったことだし、もしかしたらここは、童心に返りやすいベンチなのかも……ということで。このベンチに贈る賞は、
大都会の中の秘密基地「子ども心に戻れる屋根裏ベンチで賞」
です。こんな感じで、どんどん進めていきます。
ちなみに、このベンチと似た形のものが、1つ上のフロアにも。
ここからちょうど見下ろしたところに、歌ってる人が、よくいます。さっきの秘密基地ベンチからは死角で見えないんだけど、ここは特等席なのです。言わばコンサートホールの2階席。手をふったら、結構ふり返してくれます。ファンサ率高めベンチ。
とかやってたら、近くにいた子どももご一緒してくれました。
続きまして。「え、こんなとこに、こんなんあったの?!」となったベンチ。写真で場所がわかった人はすごい。さて、どこでしょう。
この2枚じゃちょっとむずかしいか。こうだと、どうでしょう?
この芝生エリア、大丸梅田店と阪急うめだ本店の中間地点、大阪シティバスのターミナルに寄り添ってあるんです。その形から通称「三角広場」というらしい。
それにしてもここ、まあまあ広いし、めちゃくちゃ空いてる。超ド級に駅チカやのに。穴場すぎます。
ですが、昼になると人が増え始め。夜にはスーツ姿の男性が「今から帰る〜」と電話をしていたり。キャリーバッグにおみやげを詰める親御さんの横で、子どもが転げていたり。
人工芝って荷物を広げやすいし、海外の人もありがたいだろな。散歩中のわんちゃんが来て、みんなに愛でられてるシーンもあったよ。
縁に座っても、ベンチに座っても快適。ワーカーも、旅人も、人間以外の生き物も快適。ということで。このベンチに贈る賞は、
駅チカの穴場! 「ボーダレスに優しい庭ベンチで賞」
です。
ちなみに眺めはこんな感じ。駅前がどんどん変わっていくのはソワソワもするけど、こうして見上げていると、「これらの商業施設も、このまちを育ててきた大事な存在だよな〜」と歴史を感じる。この風景が「レトロでいいわ」となる時代も、いつか来るんだろな。
大丸梅田店: セレブリティ気分も味わえる! フロアごとに多彩なベンチ集
次は、庭ベンチの隣、大丸梅田店内を探検。噂によると、フロアの雰囲気に合わせて、ベンチのデザインを変えているらしい……ちょっと行ってみます。まずは3階、高級ブランド店が集まるフロアへ。
あーーー。
ふぁーーーーーーー。
何もされていないのに、マッサージ後みたいな顔になります。くつろぎ度が恐ろしいです。写真で伝わるかわかりませんが、座り心地、ふっかふか。全体重が吸い込まれる包容力。
大丸梅田店の広報さんに「これ、ほんとにベンチなんですか」って聞いたら「はい、ベンチですよ」、「このフロアで何か買わないと座れないとかじゃ……」って聞いたら「とんでもございません! どなたでもお座りいただける公共空間です」とのことでした。
では、遠慮なく。自分のつけているピアスがハイブランドに見えてきました(※このピアスは50円です)。
買い物中のひと休みにはぴったりだね。ガラス越しに外の景色も見えて気持ちいいし……とあくびをしていると、寝落ちNGの注意書きを発見。あっぶねー、そりゃそうだよね。寝不足のときは座らんとこ。
続きましてこちら。9階、紳士服売り場でございます。
いやいやいや。もうこんなん、「#新居です #引越し片づけ終わってないのに #読書タイム」の投稿しちゃうやん。憧れの「#インテリア好きな人と繋がりたい」やれてまうやつやん。ランプ前の寝落ちNG看板でバレてまうけど。
もはやベンチカウントしていいのか? という佇まいですが、こちらも「はい、ベンチです。どなた様もお座りいただけます」とのこと。
調べると、イギリスの伯爵に由来する「チェスターフィールド」というスタイルの、伝統的な高級ソファだそうで。セレブリティな気分になったのも納得。ということで、これらのベンチたちに贈る賞は……
休む姿までラグジュアリー「誰でもセレブになれるベンチで賞」
です。
……と書きつつも、別フロアにはカジュアルなベンチもたくさん。10〜12階に入る「ハンズ」の横には、クラフト感ある木製ベンチも。14階「美食区」には、ちびっこい多肉植物たちが愛おしく並ぶベンチ。周りのお店とマッチして、いい風景をつくってました。
イチロクグルメ: 急な仕事も捗る、グルメフロアの救世主ベンチ
さあ、エスカレーターをさらに上がり、16階「大阪エキウエダイニング イチロクグルメ」へ。
グルメフロアって、順番待ち用の椅子が店舗ごとにズラーッと並んでるイメージ。誰でもOKなベンチ、あるのかしら……と思ったら。まさかの使い方ができるエリアを発見しました。こちらです。一見、ふつうなんですが、
ところどころ、自由に動かせるサイドテーブルがありまして……
ちょっとしたパソコン作業ができちゃいます。フリーWi-Fiも完備だし、もうちょい奥に腰掛ければ、仕切りパネルが画面の覗き見防止にもなりそう?
もちろん、ここはグルメフロアを利用するみなさんも使う場所なので、混み合うときはゆずりあいを! ということで、贈る賞が決まりました。
エキウエに支社オープン? 「動く机で仕事が1件片づくベンチで賞」
です。用途を絞った賞ですみません。ということで、ガチで1本メール返してる私をどうぞ。
(お仕事片づくベンチ、円形タイプもあったわよ)
ホテルグランヴィア大阪: ホテルならではの特徴が魅力に! グローバルベンチ
ちょっとはしゃぎすぎたので、そろそろ別エリアに向かいます。続いては「ホテルグランヴィア大阪」さん。
ここ、何度も通っているのに未開拓だったな。っていうか、宿泊者以外も入っていいのかな? ホテルのスタッフさんに聞くと……
「はい、どなたでも入っていただけますよ。ご宿泊者以外の方も利用できるカフェラウンジもございます。ちょうどそこに、貴重な体験ができるかもしれないベンチがあるので、ご案内します」
とのこと。早速、腰掛けております。
おお〜、さすがホテル。リッチな雰囲気。上から綺麗な光が降り注いでいて、このまま天に召されそうな顔になるんだが。
それにしても、「貴重な体験」ってなんだろ?
「こちらのホテルは、海外からのお客様が多く利用されます。ちょうどラウンジの隣がフロントなので、ちょっとした国際交流もよく見かけます」
なるほど〜! その角度で考えたことなかった、豊かだなあ。
そんな話をしていると、早速「シンガポールから来ました」というお姉さんが。シンガポール、大学生のときに行った! えっと、えーっと、I’ve been to……だっけ??
シンガポールはユニークな建築物だらけで、いっぱい写真を撮ったこと、それから「大阪にもユニークがたくさんあるよ、旅を楽しんでね!」ということを、翻訳アプリも使いつつ、なんとか伝えられました。ドキドキしたー! でもこれまた、リッチな過ごし方だなあ。ということで、実体験をもちまして、
リッチな光&異文化「国際交流できるかも?なベンチで賞」
を贈ります。英語、もっと練習しよっと。
ルクア大阪: 常時満席エリアの隙間に現る、オアシスベンチ集
さて。ここへ来て私、小腹が空いていることに気づきました。ので、ルクア大阪の地下2階、飲食エリアへ。
ここの「バルチカ」や「キッチン&マーケット(以下キチマ)」も人気ですが、そんなファンの方たちにこそ勧めたいベンチがこちら。バルチカとキチマの間にある、吹き抜け空間のベンチたち。
本ビル勤務の友人によると「キチマの飲食テーブルや、バルチカのお店が混んでても、ここは空いてる確率が高いよ!」とのこと。
はたまた、2歳児と暮らす幼馴染によると「店内やと商品棚に走っていきそうでヒヤヒヤやから、あの場所ありがたいねん〜」と、自宅からルクア大阪の方向に拝んでおりました。
そして、本記事を書いている私によると「ひとりでご飯のときも居やすいし、すぐ横に充電レンタルのスポットもあって、いい!」
ということで早速、買い出し。キチマ、小分け包装のええチーズが1片から買えたりするの、嬉しい。パッとお弁当買うこともあるけど、こうしてデリやスイーツをちょこちょこ買って、自分好みのコース料理を考えるのも、とてもしあわせ。
さ、吹き抜けに戻り、空席探し。お、これはプチ宴会の跡かな? 私には広すぎますが、一旦お邪魔しまーす。
ルクア大阪地下2階、吹き抜けベンチに贈るのは。
お品書きはあなた次第「自分だけのフルコースベンチで賞」
です、モグモグ。
ちなみに「ルクア大阪」、他にもたくさんベンチがありました。
あるときはベンチに、あるときは植栽のオブジェに、あるときはPOP-UPストアの什器にもなる七変化ベンチとか。
おしゃれピープルをウォッチできる、ファッション誌要らずのガラス張りカウンターベンチとか。
しかもこのカウンターベンチ、周辺のお店のドリンクを注文することができます。カフェが混んでるときの、心強い味方だね。
JR大阪駅中央コンコース・うめきた地下口: サイバーで深海で駅弁? 知る人ぞ知るベンチ集
おなかも満たされたところで、まだまだいきますよ。
次は、風格のあるこちらのベンチ。この写真でわかったら、あなたは大阪駅マニアだね。
サウスゲートビルディングの「旅立ちの広場」にある、その名の通り、人々が旅立っていく姿が見られるベンチです。
隣には、1874年開業時の大阪駅で、発車合図に使用された「時鐘」が飾られていて、「数々の旅立ちを見守り続けてきた歴史の証人が見守る待ち合わせスポット」とのこと。詳しくはこの記事読んでみてね。
「へー」がいっぱい!大阪ステーションシティのおもしろスポット | 大阪駅周辺ガイド・do-ya?(ドーヤ?)
はあー、そんな大先輩を横目にベンチに賞を贈るなんて、おこがましい気持ちになってきた、どうしよう。でも勇気出す。贈る。
すべての旅人に出発進行「スタートを見送る、はなむけの鐘ベンチで賞」!
「旅立ちの広場」から桜橋口へ向かい、さらに西へ。こちらのベンチも「何これ、知らない!」となる人、多そうです。どん!
こちら、2023年3月に生まれたJR大阪駅「うめきた地下口」の構内。「近未来」がテーマのエリア……なんだけど、まだまだ知られていないのか、かなり静か。大阪駅で人がいないの、面白いな。それこそSF感ある(ちなみに写真は早朝とかではなく、平日の昼です)。
でも私、この静けさもあってか、なんとなく「海底」とか「川底」のような空気も感じるんだよなあ。地下15mの深さだし、天井にところどころ、波みたいな照明があるし。大阪駅のあたりって元々、湿地帯だったとも聞くし。
その仮説が当たってるなら、このベンチ、初見はシイタケって思ったけど、フジツボやサンゴにも見えてきた。
フジツボかどうかは確認が必要だけど、確かに水の都・大阪をイメージした部分はありそう。さらにエスカレーターを上がると。
現れました、ものすんごいおっきな「水槽」です。近くにはタッチパネル式のサイネージがあり、「遊ぼう」のボタンも。えー、遊ぶ遊ぶ。
押すと、この水槽に泡を起こすことができて、お魚が逃げてった。私の体の動きに反応したみたい。「記念撮影する」のボタンを押したら、またお魚が集まってきた。
そうしてお魚を追いかけていると、水槽の左手にベンチ発見! 一見めちゃくちゃふつうの待ち合いベンチに見えますが、私の目線の先には……
なんと、「駅弁自販機」! 関西のいろんな駅弁が買えるようで。電車に乗るまでの間に食事をするのにはぴったりなスポットです。
ふむふむ、わかりました。あなたたちに贈る賞は……
地下15mのサイバーな海底「未来体験ができる駅弁チで賞」
駅弁チ、駅弁チです。覚えた? みんな、駅弁チを、よろしくね。
ノースゲートビルディング: 空間も人間も風通し◎、庭園ベンチ集
「どんだけ続くんだよ〜〜」というベンチ表彰ツアーですが、大丈夫でしょうか。ついてこられてますでしょうか……。
さて、新しくできた「海底」から陸に上がり、空にぐんぐん近づきまして、こちら。ノースゲートビルディングの11階、「風の広場」です。
すでに人気のエリアで、のびのびできるベンチがたくさん。テーブルつきベンチでピクニックしてる人、丸いベンチでコーヒーを飲む人、走り回る親子。このエリアも別記事にて、素敵な漫画と共に紹介されているので、ぜひ。
やまもとりえさん親子が体験!大阪駅直結の広場で楽々ピクニック
……と、すでに話題にはなってるんだけど、1個だけ表彰させてくれい。このベンチに、
「誰でも可愛くなっちゃうベンチで賞」をあげたいんです。
「いや、なんで?」って思うでしょ? これはですね、座面が広くて、座ると、足がぷらーんってなるベンチで。
ほら、見て。向かいのお兄さんたちも足が浮いて、パタパタしてはる。ちょっと可愛いです。
ここで会議したら、どんなにシビアな内容でも、やんわり進みそう。近隣で働くみなさん、よかったらやってみてください。
そして、そこからひとつ降りた10階「和らぎの庭」にある、このテーブルつきベンチ。ここがどうやら、定刻を過ぎると「0次会ベンチ」と化するらしく。んん? どういうこと?? ここをよく通るdo-ya?編集部メンバーによると……。
「上にコンビニがあるんですけど、近隣の会社の方々が、仕事終わりにそこでドリンクやスナックを買って、ここで楽しまれてて。で、1時間ほどしたらレストランに流れる。だから、1次会じゃなくて0次会ベンチだね、って」
それは素敵な過ごし方! 飲食フロアってだいたい混むし、時間もズラせていいね。それに、マナーを守るみんなのおかげで「これ禁止!あれもしちゃダメ!」っていうルールや看板が、必要以上にないのもいい。運営者と利用者がお互いに思いやって生まれる自由度、いいなあ。
信頼が生んだ自由の証「仲深まる0次会ベンチで賞」
だね。これからも大事に使お!
さて。このフロアでもうひとつ、私が気に入ったベンチがあります。
大阪のまちが一望できるんだけど、私が見ているのは、すぐ近くの工事現場。この9月には「うめきた公園」ができる予定です。
実はね、ここのどこかに、私の父がいるんです。父は、この場所をつくる作業に携わっていて。
たまーにですが、忘れ物を届けたり。帰りの時間が合うときは、さっきの「駅弁チ」のあるうめきた地下口あたりで待ち合わせたり。そのたびに「今日も疲れたわぁー、がんばってんねん」と、誇らしそうに喋ってくれるので、気になっている。
でも、さすがに中で働く様子は見たことない。だからこうして「あれかな? いや、こっちか?」と、遠くから眺められるの、嬉しい。あの場所にはどんな佇まいのベンチができるのかなと、想像するのも、楽しい。
なので、めちゃくちゃ私情だけど、ここは、
1年後の未来を望む「父さんがんばるベンチで賞」!
できれば、近くでも見てみたいけど。父さんたちの取材記事とか、相談してみたい……。
ドーヤろうか、do-ya?さん。
ノースゲートビルディング再び: 座ってはじめてベンチになるベンチ
そんなこんなで時刻は15時。
だいぶ歩いたな〜、もうだいたい回ったかな〜と歩いていると。
べン……チ? いや、柱……??
柱と合体したベンチらしき物体は、大阪シティバスの乗り場の裏手にひっそり、コインロッカーの端っこや間に、ちょこちょこと続く。座ってみます。
あれ、これはなかなか落ち着く……! ここに来てマイプレイスを発掘。コインロッカーはさまれベンチ、かなり気に入りました。
ロッカー利用時の荷物整理に便利だ〜、とシンプルな感想も持ちつつ、かくれんぼしてるみたいな気持ちにもなるので、最初の秘密基地ベンチ同様、私の中の子ども心が飛び跳ねます。
と書きつつ。このベンチは中央南口から御堂筋線の入口までしばらく続いていて。夜には、バス待ちの人とそれを見送る人が、発車直前まで一緒に座って、過ごしている様子を見かけました。
少し前、公共ベンチを研究する先生と、お話する機会があって「僕が考える “いいベンチ” のひとつに、人が座っていなくても空間がさみしくならない、というのがあります」と聞きました。「さみしい様子というのは、人の感情や動作にも影響を与えますから」と。
だから、このベンチみたいに「座っていないときはベンチに見えないけど、人が座ればベンチになる」ものの存在は、まちにとって、とても大事な仕掛けなんだって。
ぎりぎりまでさよならできたり、座ってなくてもよかったり。贈る賞を、発表します。
「あなたがそこから離れても、さみしくならないベンチで賞」
……です!
まとめ
大阪駅の周りにある、個性豊かなベンチたち。それぞれの好きなところを見つけて、賞をいっぱい贈れて。今日はとても楽しかったな〜。
でも、これでもほんの一部。ほんとはまだまだあったんです。
たとえば、「JR高速バスターミナル」のベンチ。夜行バスの時間になったら、きっと物語があるんだろうな。私が通ったときは、おみやげ交換をしていたおばあちゃんたちがいました。交換ってことは、遠方同士で久しぶりに会ったんかな。
下の写真も、写してないけれど、私の目線の先には、哲学書を読む白髪のおじいさんがいて。どうしてこのベンチを選んだのかな、と考えるだけでも面白くて。
冒頭にも書いたのですが、ベンチそれぞれの佇まい。そこに座る人の佇まい。それらが、このまちの風景をつくってました。
今日表彰したベンチで、「知らなかった!」なところがあれば、ぜひ座ってみてください。「知ってるけど、その使い方はしたことなかった」を試したり、お気に入りを見つけてあなたの賞を贈るのも、きっと素敵です。
ということで。
「ベンチを勝手に表彰するツアー」これにて終了。
みなさんも、よいベンチライフを!
いっちゃん、新しいやつ