OSAKA STATION CITY GUIDE

do-ya?[ドーヤ?]

「万博で」変わる大阪、変わらん大阪  大阪ステーションシティで「おもてなし」に触れる

どや?

万博きっかけで、大阪が大きく動く

大阪・関西万博の開催を契機に、大阪全体が盛り上がっている。その中心である梅田の姿も年々アップデートしている。

まず、23年3月に大阪駅の新たな地下ホームとして、大阪駅うめきたエリアが開業。今年の7月にはKITTE大阪・イノゲート大阪が同時開業。続いて9月に、広大な都市公園「うめきた公園」を含むうめきた2期地区(グラングリーン大阪)が開業。KITTE大阪には114店舗、イノゲート大阪内の飲食店街「バルチカ03」には50店舗、グラングリーン大阪北館には19店舗と、合計180店舗以上が軒を連ね、西梅田・うめきたエリアのにぎわい増に寄与した。

残るグラングリーン大阪南館のグランドオープンも来年3月21日に控えており、55店舗がオープン。うめきたグリーンプレイスも来月には一部併用開始、来年3月に全面開業予定で、20店舗が新たに加わる。「みどりとイノベーション」がテーマになっている通り、「今までにない近未来都市」が大阪に誕生した。

うめきた公園の奥にJPタワー大阪とイノゲート大阪がそびえ立つ。左側には開業予定のうめきたグリーンプレイスも見える。
JR大阪駅うめきた地下口

万博後もその進化は続く。先には、前の123mから192mに高層化される「新・大阪マルビル」(30年竣工予定)が開業。オフィスのほか、外資系のラグジュアリーホテル、円形のコンサートホール、最先端テクノロジーを駆使した体験型ミュージアムなどが整備される予定。さらに、大阪新阪急ホテルと梅田駅直結の阪急三番街、阪急ターミナルビルを一体開発する「芝田1丁目計画」(時期未定)も。

大阪マルビル跡地工事の様子(2024年11月13日)

大阪梅田を中心とした周辺のアクセス状況も変わってきている。なんば~大阪間の「なにわ筋線」開業(31年予定)や、JR「大阪」駅地下ホームと十三駅を結ぶ阪急の新線「なにわ筋連絡線」の整備も検討されている。グラングリーン大阪の西側、JR特急「はるか」「くろしお」が通っていた線路跡に通る「大阪駅北3号線」も開通することで(時期未定)、南北からの梅田への車アクセスも向上する。大阪の交通網ががらりと変わり、それにあわせて人のにぎわいも変化を見せるだろう。

人のあたたかさはそのままで

一方、「変わらない」モノもある。それは大阪ステーションシティ内で感じる「おもてなしの心」、そして大阪人の「あたたかさ」。

各施設の設備は「おもてなし」の心が反映されている。キッズ・ベビー施設が充実していて、ファミリーにやさしい。トイレには、おむつ替え台とベビーキープが女性用・男性用どちらにも設置されている。ルクア8階とルクアイーレ7階にはベビールームも。また、サウスゲートビル1階「南ゲート広場」には「礼拝室」があるなど、幅広い人々が来られることを想定している。あらゆる人が集う「広場」も10か所、ほかにガーデンや農園など憩いの場がたくさん。そして何より、各施設で働く「人」のあたたかさは変わらない。実際に、大阪ステーションシティのあらゆる場所で「おもてなし」を行う人に話を聞いた。

【インタビュー】

大阪ステーションシティ インフォメーションセンター 
佐々木恵さん

よりベストな案内をするために日々「ウォッチング」

大阪駅改札のそばにあり、業務の8割が道案内。大阪ステーションシティ以外の施設のことや、関西のあらゆる観光スポットについても尋ねられます。

接客の際に大事にしているのは「一人一人のニーズに合ったご案内」。同じ目的地だとしても、車いすや大荷物を持っている、朝早くに最短ルートで急いで行きたい、周りの景色を楽しみながらのんびり歩いていきたいなど、ニーズや状況、時間帯はそれぞれ。どのパターンでもスムーズにお答えできるよう努めています。そのため、常に自分の足で歩いて見て情報を集める「ウォッチング」を行い、常に情報のアップデートを行っています。中には「結婚指輪を探している」みたいな相談を受けたこともありますよ(笑)。大小関わらずお役立ちでき、みなさまにほっとしていただける、そんなお仕事ができればと思っています。


ルクア大阪イーサロン 店舗スタッフ 
荒谷しおりさん

ブランドへの深い理解で、心が通いあう接客を

イーサロンは「特別な体験」がキーワードのエリアです。現在は、オンラインメインで展開している商材のポップアップ販売が中心となっています。インフルエンサーや芸能人によるブランドが多く、来店される方はブランドディレクターのファンの方が多いです。ただ販売するのでなく、実店舗でいかに「ここでしかできない体験」をしてもらえるか、を追求しています。例えば、ディレクター本人が接客するのは実店舗ならではですね。

接客時にはそのブランドの良さを伝えることに重きを置いています。ブランドに対する理解を高めるために、新しい商品を取り扱うたびに直接ブランドさまにご協力いただいて勉強会を行うようにしています。週に1回は勉強会が入っているようなペースです。それによって、すでにファンの方とも心を通わせやすくなり、「イーサロンのスタッフと推しの話ができてうれしい」と喜んでいただけることも多いです。


ホテルグランヴィア大阪 フロントスタッフ 
中野裕美子さん

旅先で我が家にいるような安心感を提供

 国内外の観光、修学旅行などの団体、ビジネス利用など、利用シーンが幅広いのが当館の特徴です。「目配り、気配り、心配り」でお客さまの動向を常に意識し、要望などを事前に察して対応することを心がけています。

お客さまが快適に過ごしていただけるよう、例えば団体さまがいらっしゃる時は専用エレベーターを設けたり、リピーターのお客さまも多いので顧客情報を定期的にメンテナンスしたりなど、お客さま一人一人に合わせたおもてなしができるよう取り組んでいます。「アットホームなサービスで、まるで我が家にいるよう」と言ってもらえるのがうれしいですね。


KITTE大阪 販促担当・3階フロア担当主任 
長瀬杏子さん 

新しい出会いを、国内外のお客さまに

まだ知られていない日本の良さを発見・再認識できる場所「UNKNOWN」をコンセプトとして、お客様とさまざまなモノ・コトの新しい出会いを創出する施設でありたいという考えでお客さまと接しています。海外の観光客の方にも「新しい出会い」を楽しんでいただきたく、多言語表記に対応したグローバルサイトがあります。

各フロアにゆったり過ごして頂けるベンチを設置していますので、お疲れの際は休んでいってください。


大丸梅田店 営業推進部 販売サービス企画担当 
麻生美穂さん

歴史があるからこそ、上質なサービスを提供

お客さまとのコミュニケーションを何よりも大事にしています。大丸梅田店は梅田エリアの中でも古い施設で、ハード面はすぐに変えることができない分、ソフト面である「サービス」でお客様に満足いただきたいと考えています。大丸梅田店を選んでいただいたからには、ここに来て良かったと思って頂けるように、〈いつでも、どこでも、だれでも〉ができるレベルを目指しています。

施設としては、店内で快適に過ごしていただくためのレストスペースの確保を行っています。外国のお客様が増えているため、店内告知、案内ツールなどの多言語表記化やTV通話での翻訳アプリの導入も行っています。


「大阪らしい」あたたかかな交流を再認識

大阪梅田エリアはどんどん進化し、街としての刺激や利便性は上がっていく。でも、「大阪らしい」人のふれあいや、にぎわいの中心地としての役割はそのままだ。大阪・関西万博は、そんな大阪の魅力をあらゆる老若男女の人々に知ってもらう大きな機会になるだろう。