OSAKA STATION CITY GUIDE

do-ya?[ドーヤ?]

ドリンクのエキスパートが「プロテイン」で本気を出すとこうなる

どや!

大阪ステーションシティで収集した、4種の個性派プロテイン。今回はその「味」に焦点をあて、ドリンクのエキスパート・JUNERAYさんに“テイスティング”を依頼……したところ、なぜか最終的に「本気すぎるアレンジドリンク」が生まれてしまいました。

edit:do-ya?編集部

この記事を書いた人

JUNERAY(ジューンレイ)

元花屋のフリーライター。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート&SAKE DIPLOMA、クラフトビアアソシエーション認定ビアテイスターの資格を持つ酒のオタク。

プロテインを味わって飲んでみる

「三大栄養素とは何か」と訊かれて、すぐに3つ挙げることができるだろうか。ごく最近知ったことだが、答えは炭水化物、脂質、そしてタンパク質だそうだ。

つまり、筆者がこの記事を書きながらつまんでいる適当なスナック菓子でも、炭水化物と脂質という2/3大栄養素は摂取できているはず。しかしタンパク質ときたらそうもいかない。

コンビニの棚にはプロテインドリンクのパックが置かれているし、チョコレート入りシリアルバーや、お惣菜のパッケージにも「タンパク質○○g」と書かれている時代だ。タンパク質をいかに摂取するか、みんな苦心しているに違いない。

何かの栄養素をとくべつ多く摂ろうと思った際に、だいたい最初に犠牲になるのは味である。

初めてプロテインドリンクを口にした際の衝撃は筆舌に尽くしがたかった。まるで「お前はズルをして栄養を摂ろうとしているのだから、このくらいは許容しなさい」と叱られているような気分だった。

あの体験から、「プロテイン=牛乳で割ってなんとか飲み干すもの」というイメージで過ごしていたが、最近のプロテインはおいしくて、水だけでも飲みやすいとも聞く。

今回は、健康診断に行くたびに「もっとタンパク質を摂りなさい」と言われる筆者が、do-ya?編集部おすすめのプロテイン4種を飲み比べてみた。

(左から順に)

  • カルディオリジナル ソイプロテイン カフェモカ味
  • ノバスコシアオーガニックス オーガニックプロテイン 抹茶&バニラ
  • アルコイリスカンパニー インカインチプロテイン
  • GRØN プロテインブレンド レッドヒート

筆者が所持する、安いプロテインの巨大な袋(ちょっとした子犬くらいある)と違い、どれもオシャレなハンドバッグに入りそうなサイズだ。そしてどれも見たことがない。

期待を胸に、さっそく飲んでみよう。

1 【カルディオリジナル】ソイプロテイン カフェモカ味

まずはカルディが販売しているこちら。

大豆由来のプロテインで、カフェモカ(コーヒーとチョコレート)のフレーバーがついている。袋を開けた瞬間にインスタントココアそのものの香りがして「プロテインって、この感じでいいんだ」と思った。

牛乳でなく、ただ水に溶かすだけでいいらしい。

「シェイカーを使うと溶けやすく、美味しくお召し上がりいただけます」とある。いつもスプーンで適当に混ぜていたのだが、シェイカーを使ったほうがおいしいのであれば、そうした方がいいだろう。

元バーテンダーの筆者の家にあるシェイカーはこれだけだ。これで合っているのか?

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いい感じに溶けたのでこれでいいことにした。粉の状態とは打って変わって、缶コーヒーのような懐かしい匂いがする。

「プロテインを水に溶かして飲むのはストイックマッチョだけ、自分は牛乳に溶かさないと飲めない」と思い込んでいたが、このプロテインは水に溶かすだけでじゅうぶんおいしい。大豆由来のプロテインだからか、豆乳のフレーバーも感じる。口当たりが粗く粉っぽいのはやや気になるが、それはプロテインの宿命かもしれない。

裏の成分表を見る限り、ナチュラル志向の他3品と比べ、クリーミングパウダーやインスタントコーヒーなどでかなり調味されていることがわかる。これを添加物と捉えるか、「おいしく飲めるように」というメーカーの配慮と捉えるかはバイブスの問題だ。

ちなみに、念の為do-ya?編集部に「シェイカーってこれで合ってますか?」と確認したところ、有名メーカー製のプロテインシェイカーが送られてきた。専用器があんのかい。

2 【Nova Scotia Organics】オーガニックプロテイン 抹茶&バニラ

気を取り直していこう。

続いてノバスコシアオーガニックスの、オーガニックプロテイン 抹茶&バニラ。鹿児島産の有機抹茶を使用しているという贅沢な品だ。こちらも先ほどと同様に、約20gを200mlの水に溶かす。

「南青山の小綺麗なビルの2階に入っている、健康志向のカフェ」という感じの味がする。壁面はガラス張りで、街が見下ろせるようになっているし、Free wi-fiだってここにはある。窓際のカウンターテーブルに座ると、外の通りでは白いふわふわの犬が元気に散歩しているのだ。いいねえお散歩できてよかったねえ、いい天気でうれしいねえ、そういう情景が浮かぶ味。

香りからの想像よりも甘めで、先ほどのカルディのプロテインよりも豆乳の風味は強い。

抹茶のフレーバーも主張しすぎず、ごくごく飲める味だ(こんな味わいの飲み物は、ビール界隈だと「ドリンカビリティが高い」と評価されることがある)。

水で割ると甘さが際立つため、牛乳や豆乳で割って口当たりにまろやかさを加えた方がおいしいように思う。タンパク質が固まらない程度に温めてもいい。

「今自分は健康に気を遣っている」という気持ちになれる、前向きでヘルシーな印象だ。プロテインに真に求めるべきはこの味なのかもしれない。

3 【アルコイリス】オーガニックインカインチプロテイン

「インカインチ」という食べ物の名を初めて知った。南米ペルーのアマゾン熱帯雨林に分布する、常緑樹のナッツで、油を搾ったおからをプロテインパウダーとして利用できるらしい。粉のテクスチャは硬く、ナッツを細かく挽いたものだとわかる。

パッケージ裏では味噌汁に混ぜたり、スプレッドの材料にされたりしている。どうやらこのまま飲むものではないらしいが、テイスティングに公平を期すため、前2つと同じように水に溶かして飲んでみた。

香りはピーナッツときな粉の間という感じだが、味はほとんどない。ほのかな苦味があるだけで、水に溶け切らずに沈殿するため、混ぜながら飲む必要がある。

味わっている最中、脳内では「古代の戦士たちはこのナッツ水を飲んで身体を鍛えたのです」というナレーションが流れている(きっとそんな事実はない)。

「インカインチ」という名前からも、なんだか神秘の食べ物を口にしているようだ。RPGや世界観の作り込まれたアクションゲームで、もし「インカインチ」というアイテムを拾ったら?やはり上がるのは筋力だろうか。街に行くと放浪商人がゴザを広げて、たくさんの魔法のアイテムの中にインカインチを売っている。戦士は古龍を討伐した報酬でそれを買って飲む。そんな妄想をしてしまう。

「おれこそが現代の戦士さ」というストイックなトレーニーの方は気分が上がるかもしれないが、ウェブライターの筆者はココアにでも入れておいしく飲みたいところだ。

4 【GRØN】プロテインブレンド レッドヒート

最後はGRØNのプロテインブレンド、レッドヒート(GRØNとはデンマーク語でgreenの意味らしい、Øの文字がやたらと格好いい)。

粉がほんのりとピンク色でかわいらしい。ビーツや紅芋が入っているとのことだ。

水に入れて混ぜたらさらに濃いピンクになり、よく泡立った。

人は赤い食べ物を見ると、甘さを想像するという。それは熟した果実は赤く栄養価も高いという古代からの知恵だろう。そのためか、このプロテインを一口飲んで、全く甘くないことに少なからず動揺した。

追って脳内に浮かぶのは、かつて東北の山奥に住んでいたときの週末の記憶。これは精米所の匂いだ。生米を齧った際の、あのなんともいえない香りとパウダリーさ。裏面の成分表をじっくり読んだら米粉と甘酒が入っていた。

ビーツと紅芋という前情報があったため、根菜の土臭さをイメージしていたが、そのような香りはほとんど感じない。先ほどのインカインチが「海外の神秘のナッツ」だとしたら、こちらは「日本の畑の栄養」という印象。その素朴さがとてもいい。

田舎に住んでいると、近所の人が玄関先に野菜や穀物などを置いていくことがある。まだ土がついたそれらを洗い、毎日食べているうちになんとなく身体が元気になる。その「なんとなく元気」の部分だけを濃縮して飲んでいるような気分だ。プロテインドリンクという、実際どのくらい効果があるのか掴みづらい飲み物に対して、「なんだかいい気分になる」以上の実感を求めるべきなんだろうか?

正直、ちょっとハマってしまいそうな味である。

さらにおいしく飲みたいのでアレンジレシピを考える

4種類のプロテインを飲み比べしてみたが、どれも今まで飲んできた、甘いのにえぐみのあるプロテインとはまるで別物だった。

筆者は運動不足の免罪符のようにささやかな筋トレをしており、プロテインとは免罪の効果を上げるアイテムとして付き合っている。つまり、今回のように水だけで割るストイックな飲み方では、あまり気分が上がらないというのが正直な感想だ。

筋トレのご褒美として、おいしいプロテインドリンクがあったらどうか……そんな思いで、レシピを1つ考えてみた。

材料

  • アルコイリスカンパニー インカインチプロテイン……大さじ3
  • きび砂糖……70g
  • コーンスターチ……4g
  • 絹豆腐……100g
  • 無調整豆乳(A)……200cc
  • 太白ごま油……50cc
  • GRØN プロテインブレンド レッドヒート……20g
  • 冷凍ベリー……適量(今回はイチゴ3つ、ブルーベリー8つ)
  • 無調整豆乳(B)……100cc
  • アガベシロップ……大さじ2
  • 氷……適量

インカインチプロテイン、こいつはちょっと癖者だ。というのも、ナッツのおからであるから水に溶けず、常に混ぜていないと沈殿してしまう。しかし風味は香ばしくておいしい。

そこで、いっそ液体に溶かさず、均一な味にする方法を考えた。

まずはきび砂糖、コーンスターチと絹豆腐を混ぜ合わせる。ハンドブレンダーやミルクフォーマーなどを使うと滑らかにしやすい。

絹豆腐の固まりがなくなったら、無調整豆乳(A)と太白ごま油を加えて電子レンジで1分温め、きび砂糖が溶け切るまでさらに混ぜる。

インカインチプロテインを加えて全体に馴染ませたら、タッパーなどに入れて冷凍庫で3時間。

全体をスプーンで混ぜたら、さらに1時間ほど冷やし固める。これを2〜3回繰り返したら「インカインチアイスクリーム」の完成だ。

一口食べてみると、ピーナッツのような風味が引き立ってとてもおいしい。パッケージ裏面のスプレッドのレシピからアイディアを得て作ってみたが、けっこう正解に近い食べ方ではないかと思う。

次はGRØN プロテインブレンド レッドヒート。

筆者はこのプロテインをかなり気に入っているのだが、やはり味わいが素朴すぎる。タンパク質を摂りたがっている友人がいたとして「これを水に溶かして飲め」とはすすめ辛い。

まずは「見た目に反しての甘くなさ」と「精米所みたいな香り」をマイルドにするため、ベリーとアガベシロップを加えてみることにした。

まずは無調整豆乳(B)の半量と、あらかじめ冷蔵庫に移して半解凍しておいたベリー、アガベシロップをあわせてブレンダーにかける。ベリーを半解凍する時間がないときは流水解凍でもOK。

無調整豆乳のもう半量に、GRØN プロテインブレンド レッドヒートを溶かして、氷を詰めたグラスに注ぐ。さきほどブレンダーにかけたベリーと交互に注ぐとマーブル模様になってかわいい。

上にインカインチアイスクリームを浮かべたらご褒美ドリンクの完成だ。

「2種のベリーとインカインチのプロテインフロート」

ベリーとアガベシロップを加えることで、元のピンク色を生かしつつ、甘酸っぱいフルーティーさをプラスした。米粉の香りは無調整豆乳とも馴染みがいい。

アガベシロップに馴染みのない方も多いだろうが、竜舌蘭から採れる甘いシロップで、テキーラの原料になるものだ。神秘のナッツと竜舌蘭、そしてコットンキャンディーカラーのマーブルドリンク。辛い筋トレ終わりのご褒美として飲むと、この上なく気分が上がる(しかも、味は抜群においしい!)。

本気で筋肉をつけている方にとっては、シロップなどの糖質も制限対象なのであろうが、筆者のようなゆる〜いトレーニーにとっては「うまい、明日も飲みたい」という動機の方が大切ではないかと思う。

カルディオリジナルのソイプロテインなど、そのままでもおいしく飲めるプロテインの登場には目を見張るものがあるが、あえて無調味のタイプをアレンジするのも楽しいものだ。

タンパク質不足に悩まれる方は、個性的なプロテインドリンクを生活に取り入れてみてはいかがだろうか。

購入店舗

【カルディオリジナル】ソイプロテイン カフェモカ味:カルディコーヒーファーム ルクア イーレ店

住所:大阪府大阪市北区梅田3-1-3 ルクア イーレ 2F

電話番号:06-6151-1514

公式サイトはこちら

【Nova Scotia Organics】オーガニックプロテイン 抹茶&バニラ、【アルコイリス】オーガニックインカインチプロテイン:BIO-RAL エキマルシェ大阪店

住所:大阪府大阪市北区梅田3丁目1-1 エキマルシェ大阪

電話番号:06-6342-0171

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【GRØN】プロテインブレンド レッドヒート:スタイルテーブル ルクア イーレ店

住所:大阪府大阪市北区梅田3-1-3 ルクア イーレ 4F

電話番号:06-6151-1491

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※ 2023年1月時点の販売状況のため、現在とは異なる場合があります。