経済トレンドとして、最近「イミ消費」という言葉が流行り始めている。「イミ消費」とは、モノやサービスを購入する時に社会的な「イミ」を考える消費のあり方。環境に配慮していたり、企業が労働環境の改善に取り組んでいたり、地域や未来の世代へ貢献しているなど、「社会課題に対してプラスになるか」を基準に選ぶ行動のことで、「エシカル消費」とも言われる。
「イミ消費」がなぜ今流行る?
一昔前までは商品そのものの機能や「持っていること自体」を重視する「モノ消費」が主流だった。それから「体験」や「感情」を軸にした「コト消費」の考え方が広がり、観光・レジャーなど体験型サービスが広がった。
さらに時代が移り変わり、最近では、環境・人権・資源などの地球規模の課題が大きくなることで、世間の関心は変化して、社会的意義を伴う「イミ消費」への移行が進んでいる。
エシカルな消費活動に詳しく、普及活動も行っている大阪大学社会ソリューションイニシアティブ(SSI)教授の伊藤武志さんに話を聞くと、「イミ消費」の根幹となる「SDGs(持続可能な開発目標)」が掲げられた2015年から世界各国で取り組みが始まり、日本では2020年頃にはSDGsの意識が経済界で高まり、さらに教育界にも広がったという。学校でSDGsについて学習するため、若者や子ども世代にとっては「イミ消費」のような考えが“当たり前”になってきている。

伊藤さん「企業の取り組みは進んできてはいますが、十分ではありません。企業の商品の買い手である消費者の意識が最も大切。『意識高い系』と笑うのではなく、『いいことだよね』とみんなで言い合いながら自然体で行動することで、いつのまにかエシカル消費が実現して、自分にも返ってくるといいし、きっとそうなる、と考えます。」
「エシカル」なお店、梅田にいっぱいあるで!
そして大阪ステーションシティでも、「イミ消費」の価値観に沿った取り組みを先進的に行っている。「イミ消費」ができる店舗をいくつか紹介したい。
エシカルな商品ってこんなにたくさんあるんや…!

「ジャパンメイド、オーガニック成分配合、気候危機対応、プラスチックフリー、ヴィーガン、フェアトレード、天然由来成分配合」の7つのエシカルテーマにちなんだ美容グッズ、雑貨や食品を多く揃える。「SDGsについて何からどう行動にしていいか分からない」という方に分かりやすく伝えるために、それぞれの値札には、商品がどんな取り組みに関連しているかが一目で分かるマークが付けられている。商品のストーリーを知ってから購入することで、無理なく社会課題に取り組める買い物を目指すという。
オススメNo.1は、完全無添加ブランド「subi」の「マルラオイル」。スキンケア前のブースターとして、また髪やボディまでオールマイティにケアできる。赤ちゃんも使えるくらい肌に優しいのもポイント。さらに、購入することで、原産国であるアフリカの女性の労働支援にもつながる。

●style table(スタイルテーブル) ルクア イーレ店
[住所]大阪市北区梅田3-1-3 ルクア イーレ 4F
[営業時間]10:30〜20:30
[電話]06-6151-1491
style table 公式サイト
style table Instagram
古着初心者にオススメ! 品質グッドなヴィンテージショップ

従来の古着屋のような“古い服の再販売”にとどまらず、“古き良き価値のある服を継承する”という思いが詰まったショップ。店舗の外観からも「古着屋っぽさ」は感じにくく、古着屋にありがちなデザインの“癖”が強すぎない服をあえて販売している。
「昔からある技術を守り伝えたい」というオーナーの想いからスタートしており、「バーバリー」を筆頭に、質が高いデザインのアイテムを1点ずつこだわって仕入れている。特に日本が誇るものづくりを伝えていきたいということで、国内ブランドの流通にも力を入れている。

●Raum Vintage LUCUA 1100 (ラウム ヴィンテージ ルクア イーレ)[isetan Closet]
[住所]大阪市北区梅田3-1-3 ルクア イーレ 4F イセタン クローゼット
[営業時間]10:30~20:30
[電話]06-4400-3860
Raum Vintage LUCUA 1100 公式サイト
Raum Vintage LUCUA 1100 Instagram
「ロス果実」が「もぎたて香水」に生まれ変わる

「サスティナブルフレグランス」として展開している「フェルナンダ」。大きな取り組みとして、フルーツを使用する製品の一部にアップサイクルされた原料を活用している。季節限定商品では、日本各所の農園とコラボレーションし、規格の関係で廃棄になる果物=“ロス果実”を引き取って製品に使用している。
2025年12月26日から販売している「ミカンコレクション」は、愛媛県八幡浜市にある正本農園と共同開発した。温州みかんのロス果実から、保湿効果のある果実エキスを抽出して配合。まるで本物の果物を丸ごと絞ったような香りはこのブランドならでは。
※プレミアムシャンプー・プレミアムコンディショナー・ヘアマスクには、 アップサイクル「ウンシュウミカン果実エキス(保湿成分)」は含まれておりません

●FERNANDA(フェルナンダ) ルクア大阪店
[住所]大阪市北区梅田3-1-3 ルクア 8F
[営業時間]10:30~20:30
[電話]06-4963-0038
FERNANDA 公式サイト
FERNANDA Instagram
「イミのあるものを買う」だけでなく、「モノを使い続ける」という選択肢
製造・販売段階でサスティナブルを意識するのと同じぐらい、限りがある資源を有効活用するために、買ってからのモノをどうするか、という視点も重要。購入したモノのリメイク・修理をしてくれるお店&スポットも紹介したい。

ジュエリーの修理・リフォーム・買取と、買い取った後に生まれ変わったジュエリーの販売を行っている。ジュエリーひとつひとつに宿るストーリーを大切にし、その想いを汲んだ修理・リフォーム・買取を提案する。新品のように磨かれた高品質のジュエリーが、お求めやすい価格で手に入るうれしさも。

●aidect(アイデクト) 大丸梅田店
[住所]大阪市北区梅田3-1-1 大丸梅田店 3F
[営業時間]10:00~20:00
[電話]06-6867-9931
aidect 公式サイト
aidect Instagram
着物や小物も、普段着にリメイク!

ここで行われている特徴的なサービスが、着物の洋服リメイク「Re.kimono(リ・キモノ)」。買取で価値のつきにくい着物をワンピースやジャケットなどオリジナリティの高い服に変身させる。元々修理からスタートした店舗で、裾上げやサイズ調整、さらにリメイクもクオリティ高く対応。

●ミシン工房 大丸梅田店
[住所]大阪市北区梅田3-1-1 大丸梅田店 6F
[営業時間]10:00~20:00
[電話]06-6451-6415
ミシン工房 公式サイト
ファッションが好きだからこそ、「服の未来」を考えたい
施設全体でも「モノを使い続ける」ための取り組みを行っている。紹介したいのは、ルクア イーレ4Fの吹き抜け横にある、少し変わった服の回収BOX。
ただ古着を入れるのではなく、服のコンディションに合わせて、①「めっちゃええ服。」(=頑張って買ったけど、もう着なくなったお気に入りの服)②「可能性だけは感じる服。」(=私はもう着ないけど、もったいないから誰かに来てほしい服)③「さよなら、なんとかなれ。」(=なんともならんけど、再生でどうにかなってほしい服)の3つに分かれている。

ルクア大阪 寅屋敷尚子さん「エシカル消費、というよりまず、自分やお客さまが抱くであろう『モヤモヤ』を解決したい、という思いがあります。洋服が好きでたくさん買うけれど増えてくると収納が大変…そんなお洋服好きのお客さまのために着なくなった服を“おもろく”、そして“気持ちよく”手放す場をつくりました。」
ただただ服を捨てるのは罪悪感、でもリユースショップなどに持っていくのは手間がかかる。そういった声から、気軽に楽しく衣類をリサイクルに出せるような回収BOXを設置した。
最近はリユースショップやフリマアプリなど、状態の良い服を活用する方法は普及しているが、①②に入れるような、着倒した服や再販しにくい普段着の回収と再生をもっと促進していきたい、という考えもある。
寅屋敷さん「ルクアの近隣エリアに住む利用者は近くに大型のリユースショップがなく、持ち込む場所が少ないという悩みも聞きます。通勤・通学やお買い物ついでにちょっと寄って使ってくださっていますね。」

さらにJR西日本SC開発株式会社では「服の決まり手 82手」の発信に力を入れている。サイト内で、着なくなった服の活用方法を82個挙げていて、BOXでの回収は、その82手のうちの1つだという。
寅屋敷さん「私たちプロジェクトメンバーも、元々『エシカル消費』にすごく関心が強い、というわけではありませんでした。でも、お洋服好きとして、アパレル全体の課題を知り、古着を活用する人口を増やすことでいい循環が生まれます。1回でも課題を知る機会があることで、お買い物をする時に『買った後』にも少しだけ思いを馳せる人が増えたらうれしいです!」

今後ますますエシカルを意識するブランドも増えそうな一方、現状ではまだ知られていないことも多く、また「難しい」と距離を取ってしまいがち。せっかくそれぞれのブランドがたくさん取り組んでいるので、お買い物好きとして、買い物ついでに少しだけブランドの想いや努力に触れて、社会や環境について考えてみるきっかけになればと思う。
いっちゃん、新しいやつ