OSAKA STATION CITY GUIDE

do-ya?[ドーヤ?]

『キングダム2 遥かなる大地へ』で人気キャラクター尾平を演じた岡山天音インタビュー

どや!

撮影:杉 映貴子
取材・文/華崎 陽子

親友・山崎賢人との5年ぶりの共演で改めて「好きだな」
岡山天音が山崎賢人の座長としての佇まいと人間性を絶賛

『ワンダーウォール 劇場版』や『王様になれ』をはじめとする映画での活躍はもちろん、1月期の『ミステリと言う勿れ』や4月期の『恋なんて、本気でやってどうするの?』での好演も記憶に新しい岡山天音。そんな彼が、原泰久の人気漫画『キングダム』をもとにした、アクション映画の第2弾『キングダム2 遥かなる大地へ』(7月15日[金]より、大阪ステーションシティシネマほか全国東宝系にて上映中)で、原作でも人気を集めるキャラクター尾平(びへい)を演じている。玉座を取り戻した嬴政(えいせい)が、秦への侵攻を開始した魏討伐のため軍を起こし、天下の大将軍を目指す信が蛇甘平原の戦いに赴く様を壮大なスケールで描いている。

前作に続き、佐藤信介が監督を務め、主演の山崎賢人と吉沢亮の他、橋本環奈、大沢たかおらが続投。今作から羌瘣(きょうかい)を演じる清野菜名をはじめ、「伍」の仲間達(尾平:岡山天音、尾到[びとう]:三浦貴大/澤圭[たくけい]:濱津隆之)や秦軍の総大将·麃公(ひょうこう)を演じる豊川悦司らが参加している。そんな本作の公開に合わせ、愛されキャラでムードメーカー的な存在である尾平を演じた岡山天音が作品について語った。


── まずは尾平役に決まった時の印象を教えてください。

オファーをいただいた後で原作を読みましたが、演じるのが面白そうな役で、楽しみだなと思ったのが第一印象でした。起こっている状況に対して派手にリアクションをとっているキャラクターなので、アグレッシブに派手に演じていけそうだなと。実写でやるからにはリアリティという前提はありますが、そこに囚われすぎず、振り切った上で生身の人間として成立させていきたいという野望みたいなものは抱いていました。

── 尾平は観客の目線に近く、信の行動にツッコミをいれるなど、思ったことを率直に言うキャラクターでしたが、何か気を付けたことはありましたか?

大勢でいるシーンが多かったので、遠慮することなくいろんな球をさまざまな方向から投げたいと思っていました。前作の『キングダム』が公開された時のムーブメントを外側から見ていたので、守りに入らず攻めたいなという思いはありました。

── 確かに、前作は興行収入57億円を超える大ヒットを記録しています。そうした作品に続編から参加することにプレッシャーはありましたか?

もちろん、前作は公開時に観ていましたから、プレッシャーはすごくありました。既に世界観が出来上がっているので、そこに入っていく難しさも感じていました。ただ、その上で周りを伺ったりせず、攻めの姿勢で自分を尽きることなくワクワクさせながら最後まで走り抜こうと思っていました。

── 強い敵に腰が引けながらも、それでも仲間に力をもらって立ち向かっていく尾平の姿を見ると、応援したくなる人が多いと思います。

尾平は等身大の人間として、強敵に圧倒される立ち位置です。置かれている状況が似通っていることもあって、リアクションの種類が限られてしまうと、生身の人間が演じる面白味に欠けるのではないかと。その都度その都度尾平が置かれている状況の条件は違うはずなので、そこは丁寧に、毎回新鮮に演じることを意識していました。

── 次々に現れる強敵に圧倒される戦場での戦闘シーンで大変だったことは何だったでしょうか?

 毎日、お尻にパットを入れていましたね(笑)。尾平は尻もちをしょっちゅうつくので。戦場慣れしていない弱いキャラクターなので、やられるお芝居はたくさんしました。でも、戦場という、人間が置かれる状況において、ある種ピークの状態に精神的にずっとワープさせられるのはなかなか難しいものがありました。

── 戦場と言っても毎回状況は異なりますもんね。

尾平は、基本的に何に対しても及び腰だったんですけどね(笑)。何かに対してずっと怯え続ける日々だったので、ずっと精神状態をピークに持っていく必要がありました。精神的にずっと高ぶって怯えているというのは、なかなかない現場でしたし、大変さは感じていました。

── 信役の山崎賢人さんに羌瘣を演じた清野菜名さん、岡山さん演じる尾平の弟・尾到に扮した三浦貴大さん、伍長の澤圭を演じた濱津隆之さんら「伍」を組んだメンバーとの撮影はどのような雰囲気でしたか?

なかなかないぐらいの長期間の撮影でしたが、すごく優しい人が集まっていたので、ずっといい雰囲気でやることができました。撮影中は本当の仲間になっていたと思います。(三浦)貴大さんが演じた尾到は、役柄としては弟でしたが、状況によって兄と弟の関係性が入れ替わる様な場面もあります。貴大さんは、アクションの経験を積まれているので、アクションの部分でも人間としても非常に頼りがいがあると感じていました。

── その「伍」のメンバーの中でも、信を演じた山崎賢人さんとは2017年の『氷菓』と『ポエトリーエンジェル』以来5年ぶりの共演でした。

シリアスなシーンや身体的に大変な撮影であっても、賢人の人柄のおかげで温かい空気がずっと流れていました。長期間の撮影では、テンションを保ち続けることがなかなか難しいですが、それがすごくうまくいっていたのは賢人のキャラクターが大いに作用していたと思います。いつまでもその魅力的な人間性は変わらないなと思いますし、変わってもどんな姿になっても好きだな、と。どうして今ここで告白しているのかわからないですが(笑)。久しぶりに一緒に仕事をして改めてそう思いました。プライベートで会うだけでなく、このタイミングでまた現場で時間を共にできたのは良かったです。

── 本当にスケールの大きな作品に仕上がっていますが、完成した作品を観て一番圧倒された部分はどこでしたか?

映画を観ている最中にもどんどん一番が更新されていくようなスケールの大きな作品だと感じました。特に、賢人演じる信のアクションは理屈抜きで見ているだけでドーパミンが出ている感覚がありました。日本のものも海外のものもアクション映画のレベルは上がっていると思いますが、まだこんな見せ方があるんだ!と見せつけられました。

── 確かに、山崎さん演じる信のアクションは、別次元でした。

信のアクションは観ていると快感を覚えるんですよね。キャラクターの派手さもそうですが、観ていて気持ちいいので、ぜひ映画館の大きなスクリーンで観てほしいですね。

── 岡山さんにとって大阪の印象はどのようなものでしょうか?

母方の祖母が大阪に住んでいたので、子どもの頃からお正月など定期的に大阪に帰っていました。エリアによってはまだ濃厚なスポットが残っていて、スリリングでドキドキもさせられるけど、安心感のある場所でもあるので、大阪はすごく好きな街です。

── 映画館で観た映画で印象に残っている作品を教えてください。

僕は劇場アニメがすごく好きなんです。特に、子どもの頃に観た映画は大きなものとして残っていて。地元が国立なので、立川シネマシティという映画館で『ハウルの動く城』を10歳の時に3回ぐらい観たのをよく覚えています。今でも劇場アニメは好きでよく観ていますが、あの時映画館で観ていて良かったと思っています。子どもの頃に映画館で見た作品は、今でも自分の感性に影響を与えてくれていると思います。映画館で映画を観るとすごくメモリアルな感覚で記憶に残るので、近所に映画館がある環境で良かったと思っています。

Movie Data

『キングダム2 遥かなる大地へ』

▼7月15日[金]より、大阪ステーションシティシネマほか全国東宝系にて上映中


出演:山崎賢人/吉沢亮 橋本環奈 清野菜名/豊川悦司/大沢たかお ほか
※山崎賢人さんの「崎」は正しい文字が環境により表示できないため、「崎」を代用文字としています。
原作:「キングダム」原 泰久(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督:佐藤信介

©︎原泰久/集英社
©︎2022映画「キングダム」製作委員会

Profile

岡山天音

おかやま・あまね●1994年6月17日生まれ、東京都出身。2009年に俳優デビュー。2017年、主演映画『ポエトリーエンジェル』(飯塚俊光監督)で高崎映画祭最優秀新進男優賞受賞。主な映画出演作に『新聞記者』(19/藤井道人監督)、『ワンダーウォール 劇場版』(20/前田悠希監督)、『青くて痛くて脆い』(20/狩山俊輔監督)、『おらおらでひとりいぐも』(20/沖田修一監督)、『FUNNY BUNNY』(21/飯塚健監督)などがある。2022年は、『ミステリと言う勿れ』や『恋なんて、本気でやってどうするの?』など、TVドラマでも存在感を示している。今後は『さかなのこ』(9月1日[木]公開)、『百花』(9月9日[金]公開)、『沈黙のパレード』(9月16日[金]公開)ほか公開作が続き、主演舞台『VAMP SHOW』が8月にパルコ劇場、9月に森ノ宮ピロティホールほかにて上演。

店舗情報

店舗名大阪ステーションシティシネマ
住所〒530-0001 大阪府 大阪市 北区 梅田3-1-3 ノースゲートビルディング11階 
電話番号050-6861-8100

※オペレータ対応時間 :午前10時から午後9時まで。
※お時間帯によっては、オペレーターにおつなぎできない場合がございますので、あらかじめご了承ください。