OSAKA STATION CITY GUIDE

do-ya?[ドーヤ?]

『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-「大阪ステーションシティSound Scape」公開収録』レポート

どうやろ

writer:奥“ボウイ”昌史
photo:渡邉一生

尾崎世界観(クリープハイプ)がFM802の公開収録で時空(とき)の広場に登場!

尾崎世界観(クリープハイプ)がゲスト出演したFM802の『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-「大阪ステーションシティSound Scape」公開収録』イベントが、10月8日(火)JR大阪駅・大阪ステーションシティ5階「時空(とき)の広場」で行われました。

当日は番組同様FM802のDJ落合健太郎がMCを務め、『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-』内にて放送中のコーナー「大阪ステーションシティSound Scape」(木曜21:15-21:35)で、開業150周年を迎えた大阪駅を中心とした複合商業施設・大阪ステーションシティとのコラボレーション企画として楽曲制作プロジェクトに取り組んだ尾崎世界観を招いた、貴重なトークイベントのレポートをお届けします!


時空の広場に集まった多くの観客が、尾崎世界観の登場に大きな拍手と歓声を送る中、周囲を見渡した彼は、「好きなんですよ、こういう場所が。人が造った建物を見ていると安心するんです」と、時空の広場の見事な景観に感心している様子。そして、トークは早速、今回の楽曲制作プロジェクトの話に。

ボーカルの入っていないインストゥルメンタル状態の音源をFM802や大阪ステーションシティ館内で先んじて聴いたリスナーから、連想したキーワードや感想、クリープハイプへのメッセージを募集し、それを元に完成させた新曲について、「結構自分に近い感覚のメッセージも多かったのでうれしかったですね。どこからが自分の感覚で、どこまでがもらったメッセージの言葉なのか、分からなくなるぐらいしっくりきました。印税を分けてくれと言われるんじゃないか気になってますけど(笑)」と、ユーモアたっぷりに話してくれました。実際にインストバージョンの音源も流され、「普段、僕らは完成したバージョンしか聴いていないから、まず自分たちで一回想像するのはすごく面白かった」と、DJとしての経験豊富な落合にとっても刺激的な体験だったと感想を述べます。

新曲のタイトルに関しても触れ、尾崎が「東京からここに来るときに決めました。だからメンバーもまだ知らないんですよ。SNSで伝えてあげてください(笑)」とにぎわせ、歌詞の一節から「人と人と人と人」と名付けたと発表。「ちょうどバンドも4人なのでいいかなと。そのフレーズも聴けると思うので注目していただけたら」という尾崎の曲紹介より、昨日マスタリングしたばかりの出来立てほやほやの新曲がお披露目されると、目をきらきらさせながら耳を傾けたオーディエンスの拍手喝采が時空の広場を包み込みます。落合が「すごく素敵な曲で感動してしまいました」と伝えると、尾崎は「人と人と人と人」に込めた思いを話し出します。

「バンドとしても今まで作ったことがない曲になったし、ちょうど最近、(「ルクア イーレ」9階の)「梅田 蔦屋書店」でサイン会があって。そのときにここに立ってみて改めて感じたんですよね。街は知らない人同士がいることで成り立っている。よく出会いを大切にする歌はありますけど、まだ出会っていないことがすごく大事で、そうやって街は生きていると歌いたくて。大阪にライブをしに来て当たり前のように力をもらっているし、大阪駅ではその根元を見ているというか、いろんなところに行って帰ってくる、いろんなものを受け入れている場所だなと。その力をちょっとでももらえたらと思って、こういう歌を作りました」

時間や季節のうつろいが描かれた歌詞については、「時間も季節も勝手に流れていきますけど、そこに救われたりもするし残酷だなと思うこともあると表現したかった」と尾崎。「桜の橋」(=大阪駅桜橋口)というワードは、かつて尾崎が作詞作曲を手掛けた『FM802 春のACCESS! キャンペーン』の人気曲「栞」とのつながりも感じさせ、「人と人と人と人」にまつわるさまざまなエピソードが語られました。

現メンバーになって今年で15周年のクリープハイプ。「150周年を前にすると10分の1で恥ずかしいですよ」と尾崎は笑いましたが、バンドの状況は極めて良好。豪華アーティストが参加した初のトリビュートアルバム『もしも生まれ変わったならそっとこんな声になって』が話題となり、11月16日(土)神奈川・Kアリーナ横浜での『現メンバー15周年記念公演「2024年11月16日」』も控えます。その後も、12月4日(水)には約3年ぶりとなるニューアルバム『こんなところに居たのかやっと見つけたよ』をリリース。2025年2月よりキャリア史上最大規模の全国ツアーが始まることも決定しています。

来場者から募った質問コーナーでは、「なかなか覚えられない言葉や意味はありますか?」との問いに、「覚えられないものは捨ててしまうから、そういう感覚すらなかった。どうでもいいことは覚えているんですけどね、バイト先の嫌いなヤツの名前とか(笑)。「身も蓋もない水槽」という曲に「バイト先のクソが」と連呼するところがあるんですけど、その人の名前を言っちゃいそうになるんで。実際にライブで何回か言っていて、長谷川カオナシ(Ba)に「今日、言ってましたね」と言われたことがあります(笑)」と尾崎。「日常生活を送るうえで小さな後悔をすることはありますか?」に対しては、「ありますけど、それが作品になるので仕事の一環だと思っています。だから、何でも言え過ぎてしまうのも良くないのかなと。論破とかできなくて良かったですよ。その場で終わっちゃうと曲が作れなくなるので」と答えるなど、興味深い話がたくさん聞けました。

年内の関西でのライブは、12月27日(金)・28日(土)・29日(日)大阪・インテックス大阪で開催される『FM802 35th ANNIVERSARY“Be FUNKY!!” ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2024ーレディクレ15th-』に出演(クリープハイプは29日(日)に出演)。「去年は調子が悪くて悔しい思いをしたので、今年は絶対に最高のライブをしたいなと思ってます!」とリベンジ宣言。最後は番組のフラッグを掲げ「大阪ステーションシティ最高!」と記念撮影し、公開収録は終了しました。なお、この日の模様は10月10日(木)・17日(木)の2週にわたり『ROCK KIDS 802-OCHIKEN Goes ON!!-』の夜21時台にオンエアされます。