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創業の地から最先端のうめきたへ。旧自社ビルの1.8倍!ゆとりと遊び心満載の塩野義製薬「グローバル本社」全貌【うめきた新オフィス潜入】

どうやろ

オフィス機能を備えた大型施設が続々開業し、有名企業の本社・支社機能が集結しつつあるうめきたエリアを深掘りする連載「うめきた新オフィス潜入」。第3回は、2025年11月、グラングリーン大阪南館に本社を移転した「塩野義製薬株式会社」に潜入しました。

edit:人間編集舎
write:渡辺あや
photo:北川暁

大手製薬会社「塩野義製薬」の歴史は、1878年、大阪市中央区の道修町(どしょうまち)にて前身となる「塩野義三郎商店」から始まりました。創業以来、一貫して道修町に拠点を置き、日本の製薬業界を牽引してきた存在です。

そんな塩野義製薬が、2025年11月、大阪最後の一等地と呼ばれる「うめきたエリア」に「グローバル本社」を開設。「グラングリーン大阪南館」24階〜26階にオフィスを構えることになりました。

グローバル本社のコンセプトは、ずばり「FACE」。人々が集い、顔を合わせるコミュニケーションからイノベーションが生まれることを期待した新オフィスは、旧本社である道修町の自社ビルの1.8倍となる規模で、床面積は総延べ約1万2000平方メートルにも及びます。

長年、一つの地域に根付いてきた老舗企業がいま、本社移転に踏み切った背景とは? 新オフィスで実感した「変化」についても気になるところです!

今回お話を伺ったのは、同社のサプライ管掌オフィス Finance & HR Managementグループの一員で、20〜30代が中心となった移転プロジェクトのメンバーでもある伊藤侑作さん。オープンしてからの新オフィスでの過ごし方や、うめきたならではの「新しい働き方」について、教えていただきました。

社員の意見が反映された新オフィスで、より開かれた経営体制の実現へ

――まず最初に、新オフィス移転の背景から教えてください!

塩野義製薬は1878年の創業以来、ずっと道修町に本社を構えていましたが、「人々の健康を守るために必要な最もよい薬をグローバルに提供する」というミッションの通り、今後も世界中の患者さま・医療関係者・パートナーから選ばれる企業であり続けるために、本社機能を見直そうという動きがありました。そのため4つに分散していたオフィスを「グラングリーン大阪南館」の24〜26階に、グローバル本社として集約することになりました。より効率的で開かれた経営体制を作ろうというのが大きな目的です。

――新オフィスのコンセプト「FACE」についても教えてもらえますか?

「FACE」は、名詞の「顔」と、動詞の「向き合う」「立ち会う」という意味をかけ合わせたコンセプトです。人々が集まって顔を合わせるコミュニケーションから、イノベーションを生み出そうという思いが込められています。

オフィスの中央には、24階〜26階を往来できる内階段が設置されています

24〜26階を繋ぐ階段を2つ設置し、中央は吹き抜けになっています。そこを中心に、部署をまたいで使えるワークコモンズや、開放的なディスカッションスペースが広がっているんです。どのフロアにも行きやすくて、10階建ての自社ビルで縦に長かった旧本社と比べると、最短距離でコミュニケーションができるオフィスになったと感じますね。

――伊藤さんご自身も、オフィスづくりのプロジェクトに参加されたそうですね。

そうなんです。移転プロジェクトのメンバーとして関わっていました。私は今34歳なのですが、20代・30代が中心の20名くらいのチームで、「社員みんなが使いやすいオフィス」にするために色々と議論しました。

上から勝手に決定事項がおりてくるのではなくて「できるだけ従業員の声を反映しよう」という方針だったので、たとえば家具の選定では、前のオフィスで「体験会」を開いたんです。家具会社さんにかなり無理を言って(笑)、椅子や机のサンプルをいくつも持ってきてもらい、社員が実際に座って「どれを使いたいか」を投票を募って決めました。

――社員の参加率はどのくらいでしたか?

おかげさまで、体験会には350名以上が参加、新オフィスに関するアンケートには509名に回答いただきました。今回のオフィスは1,000名規模が集まれる場所なので、半数以上が何らかの形で関わってくれた計算になります。もちろん、物理的に来られなかった人や業務の都合で参加できなかった人もいますが、全体として移転に対する受け止めはかなりポジティブだったと感じています。

設計は竹中工務店が担当

畳にスタバにLOVOTまで! 心のゆとりを重視した新オフィスは、遊び心満載の空間に

――実際に働き始めてみた感想を教えてください。

今までよりも確実に「出社したくなるオフィス」です。弊社は在宅勤務もありますが、「今日は会社に行こうかな」という気持ちになる日が増えました。もちろん目新しさもあるとは思いますが、それを差し引いても、出社したくなるオフィスだと感じています。

――新オフィスでの一日のスケジュールはどんな感じですか?

朝8〜9時に出社して、まずはフリーアドレスの執務エリアでモニター付きの席を取ります。社内のスタバのマシンでコーヒーを入れて、メール対応やタスク整理からスタート。ミーティングがあるときは、ワークコモンズの中にあるファミレスのボックス席のようなスペースや座敷スペースなど、会議の内容やメンバーに合わせて場所を選びながら移動しています。午後、ちょっと気分を変えたいときは、カフェっぽい席に移動して作業することもあります。

「アジア」がテーマになったワークコモンズには、座面が畳のボックス席が

ワークコモンズは、まさにコミュニケーションの中心になっています。休憩がてら来る人もいれば、打ち合わせをしたり、1人でもくもくと作業する人もいて、とにかく用途はさまざまです。ちなみに、ワークコモンズは「世界とつながる」を目的に、それぞれアジア、ノースアメリカ、ヨーロッパなどそれぞれ各大陸をコンセプトにした作りになっています。

TVからCNNが常時放送されていて、グローバルな情報を得ることができる「ノースアメリカ」のエリア

――新オフィスに移転して、仕事以外での交流も増えたのでは?

旧本社は個室の会議室が多くて「ちょっと集まって話したいだけ」の場面でも、必然的に個室にこもるスタイルでした。個人情報や機密情報の扱いを考えると、もちろん必要な場面もありますが、「過剰にクローズドだった」とも思います。今はそれがなくなり、さまざまなフリーエリアで社員が打ち合わせをしています。

そのおかげか、社内コミュニケーションが明らかに活発になりました。また、新本社では本部長クラスの個室がなく、同じフロア・同じデスクエリアで働くのが普通なので、これまで接点の少なかった人とも自然に顔を合わせることが多くなり、立場を問わず交流の機会が増えました。

ワークコモンズにはスターバックスマシンが!(写真提供:塩野義製薬)

さらに、ワークコモンズのスターバックスマシンも行列ができるくらい人気なんですが、順番を待っている間に自然に会話が生まれて、部署を超えたちょっとした立ち話の場として機能しています。

――旧本社と比べて、どのあたりが一番違いますか?

働き方というよりは、「気持ち」の部分が大きいかもしれません。旧本社は、本当に仕事に必要なものが最低限そろっているイメージで、「仕事のための場所」という印象でした。それに対して新本社は、仕事に直接関係ない「遊び」や「ゆとり」の要素がかなり増えました。そこが一番大きな違いですね。

人気の座敷スペースは、大人数の会議や勉強会に使われることも

――「遊び」「ゆとり」とは、たとえばどんなものがありますか?

わかりやすいのが、家族型ロボットの「LOVOT(ラボット)」です。2体いるんですけど、これがオフィス中を自由にうろちょろ動き回っています。正直、業務効率化とはまったく関係ない存在なんですが(笑)、本当に可愛くて癒されます……。

ワークコモンズやウォーターサーバー、オフィス内のミニコンビニのあたりにふらっと現れて、かまってくれる人のところに寄っていきます。LOVOTって、人になつくんですよ! 撫でている人の周りにまた人が集まって、そこでおしゃべりが始まることも多いですね。LOVOTのお世話をする「オーナー」も募集中で、学生時代のサークル活動みたいな雰囲気もあります。会社としても「こういうゆとりは大事だよね」と受け入れる空気になっています。

美味しいランチに、家族へのプレゼント。うめきたエリアに移転して変わった「勤務外時間」の楽しみ方

――うめきたに移ってから、通勤や日常の行動範囲にも変化はありましたか?

私は北摂に住んでいて、最寄りも1駅変わったくらいなんですが、歩く距離などを含めるとそこまで変化はないです。ただ、会社に着いてからの過ごし方はかなり変わりました。ランチは、ビルの4階に入居者専用の食堂があるので、そこを利用することも多いですし、「KITTE大阪」や「イノゲート大阪」に出かけることも増えました。

――おすすめのお店はありますか?

KITTE大阪にある「肉と魚がうまい酒場ニューツルマツ」やバルチカ03にある「和ル一誠」など、お気に入りのお店がすでにいくつかあります。社員同士で「この店よかったよ」と情報交換するのも楽しいですよね。

「【バルチカ03】「和ル一誠」の名物「肉豆腐定食」(税込1,100円)」(店舗提供写真)

仕事終わりは、バルチカ03の「フランダーステイル」や、ルクア地下の「キュッヒェ ニューミュンヘン」などに飲みに行ってます! 正直、飲み会は確実に増えました……(笑)

――とても楽しそうです!

飲み会がない日でも、うめきたエリアをぶらぶら散歩して「ロクシタン」で妻へのプレゼントを買ったり、普段スーパーでは見かけないような食材を買って帰ったりするようになりました。正直、飲み会が増えた分の帳尻合わせなんですが(笑)、家族も喜んでくれています。うめきたエリアにオフィスが移転したからこその行動ですね。

24〜26階に位置するオフィスからの眺めの良さに、驚く来客も多いそう

――移転してから、社員の方の健康面にも変化があったとか?

健康保険組合主導で、月間の歩数をチームで競う「健康ウォーク」という取り組みがあります。うめきたエリアは緑が多いこともあり、移転してからは一駅手前で降りて歩く社員も増えています。私も昼食後に外を歩くなど、自然と運動の機会が増えましたね。3フロアを行き来するだけでも運動になるので、オフィス自体が健康づくりを促していると感じます。

「道修町の塩野義製薬」と「グローバルのSHIONOGI」を両立。歴史は残し、世界への道をうめきたで作る

――取引先など、社外からの反応はいかがでしょうか。

前の本社を知っている方からは、まず雰囲気の変化に驚かれます! オフィスに入ると、エントランスからうめきたエリアを一望できるので、「受付の時点で驚きました!」と言われることも多いです。「一度オフィスを見学させてほしい」というお声もいただくようになりました。

ずっと道修町一筋だった本社を移転したことに驚かれる取引先の方も多いです。「道修町からは撤退しちゃうの?」と聞かれることも多いんですが、旧本社は改修して活用する予定ですし、「道修町の塩野義製薬」はこれからも残り続けます。その上で、「グローバルのSHIONOGI」をうめきたから始めて、大阪発で医薬品に限らないヘルスケアソリューションを、世界中の患者さんやご家族に届けていけたらと思っています。

まだ工事中の区画も残るうめきたエリア。今後のさらなる発展に、全国から関心が寄せられる

――最後に、うめきたエリアへの期待を聞かせてください。

うめきたエリアには大阪拠点の企業がもっと増えていくポテンシャルがあると思っています。うめきたの存在によって、弊社のように「あえて大阪」を選ぶ企業が増えるんじゃないかな。

現在でもすでに多様な企業や研究機関が集まっているので、グラングリーン大阪全体や、JAM BASEのような施設も活用しながら、スタートアップを含む企業や行政、大学など、いろいろなプレイヤーと新たな価値を共創していきたいです。うめきたエリアが、どんどん新しい取り組みを生み出す場所になっていったらいいですね。

記事で紹介した「大阪駅周辺」おすすめ飲食店

肉と魚がうまい酒場ニューツルマツ

住所:大阪府大阪市北区梅田3-2-2 KITTE大阪 B1階
営業時間:11:00〜23:00(最終入店・L.O. 22:15)
定休日:不定休
お問い合わせ:06-4256-8838
Instagram

和ル一誠

住所:大阪府大阪市北区梅田3-2-123 イノゲート大阪 4F バルチカ03
営業時間:11:00〜22:00
定休日:不定休
お問い合わせ:06-6459-7337
Instagram

フランダーステイル

住所:大阪府大阪市北区梅田3-2-123 イノゲート大阪 4F バルチカ03
営業時間:月~金:11:30〜15:00 16:00~23:00、土・日11:00〜23:00、祝日:11:00〜23:00
定休日:不定休
お問い合わせ:06-6131-6777
公式サイト

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