待ち時間を、『たのしさの準備運動』に。待ちじかんマッチブックVol.2あかしゆかさん
どや?
誰かを待つ時間、電車を待つ時間。どうしても待ち時間は手持ち無沙汰になってしまう?
そんな「待つ」時間を、本で別の「時間」に変えちゃおう。
選んだ人
あかしゆか さん
1992年生まれ、京都出身。大学時代に本屋で働いた経験から、文章に関わる仕事がしたいと編集者を目指すように。 現在はウェブ・紙問わず、フリーランスの編集者・ライターとして活動をしている。2020年から東京と岡山の2拠点生活をはじめ、2021年4月、瀬戸内海にて本屋「aru」をオープン。
待ち時間を、『たのしさの準備運動』に。
マッチした本
『にょっ記』(文春文庫)穂村弘
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167753603
『にょっ記』をご紹介。
『別冊文藝春秋』で過去に連載されていた、歌人・穂村弘さんの日記集。ある時は喫茶店で、ある時は薬局で、ある時は夢の中で、ある時は妄想の世界で……。穂村さんが日常で出会う物事が、ユーモアあふれる視点で切り取られ、その巧みな言葉使いには思わずクスッと笑ってしまうこと間違いなし。挿絵のフジモトマサルさんの一コマ漫画もキュート。『にょっ記』に続き、『にょにょっ記』『にょにょにょっ記』まで、全3巻が刊行されている。
友人との待ち合わせ時間に、本を読む。
私はせっかちで心配性な性格をしているので、待ち合わせには、早めに行くことがほとんどだ。だから必然的に、いつも「待つ」側の人間になる。そしてその待っている時間に、本を読むことが大好きだ。
友人と過ごす時間は、多くの場合「たのしい」ものなので、待ち合わせのときも「たのしさの準備運動」として、明るい気分になれる本を読みたい。さらには文章の途中で友人が来てしまって「ああ、いいところだったのに……!」とがっかりもしたくないので、なるべく短い文章で構成されているものがいい。ついでに言うと、カバンからすぐに出し入れできるように、できれば文庫サイズがいい。
このような、私が望む「友人との待ち合わせで読む本」の条件をすべて満たしてくれるのが、歌人・穂村弘さんの日記をまとめた『にょっ記』シリーズ。このシリーズを読むと、人間の日常って不思議だな、人生って可笑しいな、と元気が出るのだ。待ち合わせの時間がきっと、もっと楽しくなるにちがいない(読みながら笑ってしまうので、ちょっと怪しい人間になってしまうから要注意だけれど……)。
▼第一弾の連載記事はこちらから。
待ち時間を『色あふれる時間』に!待ちじかんマッチブックVol.1松田崇弥さん
いっちゃん、新しいやつ